桐油
アブラギリ類の種子を搾油して得られる油脂。
毒性があるため食用に用いられず、主に 工業用途に古くから使用されてきた。
乾性油(不飽和脂肪酸を多く含む)としては優秀なものだが、
桐油そのままの乾燥皮膜は不透明で、粘性や弾性にも乏しく工業用途には向かないため、
二酸化マンガンや酸化鉛などの添加物を加えて加熱処理を行なって製品化される。
防虫効果もあるので、フローリングや木製家具の艶出しのほか、
塗料、印刷などの工業目的に使われる。
江戸時代には、燈火油、油紙、雨合羽などに利用された。
西日本と中国に自生され、栽培もされる。
現在流通しているものはシナアブラギリ由来のシナ桐油(tung oil)である。
近年、バイオディーゼルの供給源として注目されているナンヨウアブラギリは別種の樹木である。
日本で好まれるキリ(桐)のいずれともアブラギリはごく遠縁の別樹種である。
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